世界で最もよく知られ、広く普及しているスイス製自動巻き
ムーブメントがETA2824-2であるのは、誰もが認めるところだろう。
このムーブメントの初代バージョン、ETA2824がリリースされた
のは1971年。だが、ボールベアリングローターといったそ
の構造的な特徴は、1948年に発売されたエテルナ1247にまで
遡ることができる。
長い歴史があるにもかかわらず、
その設計がまだまだ現役であるのも特筆すべき点だ。
スウォッチグループによるETAムーブメントの
供給停止が差し迫る中、スイスでもアジアでも数多
くのライバルメーカーがコピーモデルの生産を開始。
ムーブメントの特許が失効していたことから、生産は拡大した。
セリタSW200-1、Valanvron VAL-24、シーガルST2130、
STP 1-11といったムーブメントは、
すべてETA2824-2の設計をベースとしている。
一方、ETAもそれを黙って見ていたわけではなく、
現代的な技術的アップデートに加えパワーリザーブも延長した、
改良版ムーブメントを開発。
スウォッチグループ傘下のブランドにのみ提供されている。
今回はこのETA2824-2の歴史と
その発展過程に焦点を当ててみたい。
最新版の情報もお見逃しなく。